C型肝炎ウイルスを排除すると。。。

C型肝炎ウイルスはその名の通り肝臓に炎症を起こしますが、実は肝炎だけでなく様々な病気の原因となります。

 

例えば。。。

リンパ増殖性疾患:クリオグロブリン血症・悪性リンパ腫

自己免疫性疾患:膜性増殖性糸球体腎炎・慢性甲状腺炎・シェーグレン症候群

代謝疾患:糖尿病

心疾患:拡張型心筋症・肥大型心筋症・不整脈原性右室心筋症・慢性心筋炎

皮膚・粘膜疾患:扁平苔癬・晩発性皮膚ポルフィリン症

などです。

あまりなじみのないものもありますが、いろいろな病気の原因となることがわかっていただけるかと思います。

 

このような病気を合併している場合C型肝炎ウイルスを排除することでその病状が改善することが期待されるのですが、免疫力を強くするインターフェロン治療ではかえって病状が悪化する恐れがあったため、ウイルスの排除が困難でした。

最近のインターフェロンを使わない経口薬

による治療でウイルスを排除することで、このような病状が改善するのではないかと思っていましたが、実際に皮膚の慢性疾患である乾癬が改善したという報告がありました。

 

 

 

C型肝炎ウイルスを排除することで肝硬変への進行や肝臓がんの発生が抑えられることは明らかですが、今回の報告のようにその他の症状も抑えられることが徐々にわかってきました。

逆にウイルスを排除すると、コレステロール値が上昇することもあるようです。

治療が終わっても、全身をしっかり経過観察していくことが大切です。

新春大掃除

尼崎市武庫之荘のいとせクリニックです。

今日午前の診療が終わったあとに、清掃会社による清掃が行われました。

そんなに汚れていないだろうと思っていましたが…

 

 

 

仕上がりの写真です。床が光っています。

昨年10月に開院したばかりで、院内はまだまだ新しくピカピカだと思っていましたが、これを見るとやはりかなり汚れていたということですね。

 

綺麗になったクリニックで、来週からまた気持ちを新たにして診療していこうと思います。

 

C型肝炎の治療についての論文

あけましておめでとうございます。

 

C型肝炎に対する治療はC型肝炎ウイルスを体内から排除することですが、10年ほど前までは治療が成功する確率は1型という治りにくい型のウイルスで50−60%程度でした。最近では治療薬が進歩し、1型と2型では95%以上治療が成功するようになりました。

日本人ではほとんどが1型か2型ですが、まれに3型の方がおられます。労災病院時代にも2人が通院されていました。治療薬が進歩しましたが、3型には比較的効きにくく、ウイルスの排除は80−90%程度に止まっていました。

今月のアメリカの肝臓学会誌『Hepatology』に3型に対する治療成績の論文が掲載されています。

 

対象:3型のC型肝炎ウイルスに感染した慢性肝炎または肝硬変患者

治療法:glecaprevir/pibrentasvir (商品名:マヴィレット)を12週間または16週間投与

結果:

治療歴あり・肝硬変なし・12週:91%

治療歴あり・肝硬変なし・16週:95%

治療歴なし・肝硬変あり・12週:98%

治療歴あり・肝硬変あり・16週:96%

 

 

3型に対する治療効果は良好な結果でした。この論文はマヴィレットの発売元であるアッヴィがサポートしているということ、著者のうち何人かがアッヴィから研究費をもらっているということがありますので少し割り引いて考える必要はあるかもしれません。

いずれにしても3型に対するインターフェロンを使用しない治療薬はマヴィレットしかありませんので、実際の臨床でもこの論文と同じような効果が出るのであれば使ってみたいと思います。

 

Hepatologyの論文を全文読むには普通は料金がかかるのですが、この論文は無料で読むことができます。アッヴィは太っ腹ですね。

2018年になりました

あけましておめでとうございます。

いとせクリニックは1月6日から新年の診療を始めました。今年もよろしくお願いいたします。

 

新年を迎えるにあたり、院内の飾り付けをクリスマス風から和風に変えてみました。

 

クリスマスツリー風門松

 

 

 

受付もお正月風です

 

カウンターの置物

 

 

壁には注連縄

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も早速内視鏡検査を受けられる方が来られました。

今年もお一人お一人と向き合いながら診療していきたいと思います。

 

インフルエンザワクチン終了のお知らせ

インフルエンザワクチンですが、ニュースなどでも言われていますように今年は供給が不足しています。

 

 

当院では現在予約されている方の分は確保していますが、それ以上の供給がない状態です。このため予約されている方以外のインフルエンザワクチンの受付を終了させていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

脂肪肝とガン

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とはアルコールを飲まないにもかかわらず、アルコール性脂肪肝に似た変化が肝臓に起こる疾患です。単なる脂肪肝だけのこともあれば、脂肪性肝炎という肝炎を起こし肝硬変に進展することもあります。”脂肪肝”という単語から連想されるように、この疾患はいわゆる”メタボリックシンドローム”が肝臓に表れたものとも考えることができます。このため治療としては食事療法や運動療法で体重を減らし、肝臓に脂肪がたまらないようにすることが中心となります。

そのNAFLDですが、肝硬変に進展すると肝臓ガンが合併しやすいことはよく知られています。ところが最近NAFLDは、肝臓ガンだけでなく他のガンにもかかりやすいかもしれないと報告されました。

Association between non-alcoholic fatty liver disease and cancer incidence rate

 

これによると、NAFLDでは男性で大腸ガンのリスクが2倍、女性で乳ガンのリスクが2倍程度であったとのことです。

肝臓だけでなく、他の臓器も注意して診療する必要があります。