最近便秘が話題です|その2

前回、便秘診療についてのガイドラインがでたことをお知らせしました。

今回は便秘が最近話題ということのもう一つの理由である、新しい薬についてお話します。

 

便秘に対する治療薬には以下のようなものがあります。

  • プロバイオテクス
  • 膨張性下剤
  • 浸透圧性下剤
  • 刺激性下剤
  • 上皮機能変容薬
  • 消化管運動賦活薬
  • 漢方薬

この中で、これまでは浸透圧性下剤である酸化マグネシウムや刺激性下剤であるセンノシドが主に使用されてきました。

2012年に上皮機能変容薬であるアミティーザが登場しました。

上皮機能変容薬とは聞きなれない言葉ですが、上皮とは大腸の粘膜の表面にある細胞の集まりのことですのでその働きを変えることにより便秘を解消する薬ということになります。

具体的には、大腸の上皮細胞からの水分の分泌を増やすことで便を出やすくします。副作用としては下痢、吐き気、嘔吐などがあります。下剤の副作用で下痢ということは、効果がありすぎるということですね。

 

今年、もう一つの上皮機能変容薬であるグーフィスが発売となります。

これは小腸の細胞に存在する胆汁酸を吸収する分子の働きを抑えることで、胆汁酸が腸から吸収される量が減り大腸に入る量が多くなります。

大腸に入った胆汁酸は水分を分泌させ、さらに消化管運動を促進させるため下剤としての効果が現れます。

 

このように便秘に対して使える薬が増えてきましたので、よりきめ細かい治療ができるようになります。

最近便秘が話題です|その1

最近便秘治療が話題です。

その理由の一つ目は昨年10月に『慢性便秘症診療ガイドライン』(以下ガイドライン)が発表されたこと、もう一つが便秘に対する新しい治療薬が発売されることです。

 

ガイドラインでは便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。

ですので1日1回以上便が出ていても、快適に出ていないと感じればそれは便秘ということになります。

 

またガイドラインでは慢性便秘症の分類を、まず「器質性」と「機能性」に分け、器質性を「狭窄性」と「非狭窄性」に分けています。

狭窄性で重要なのは大腸がんです。

もともと便秘でない人が便秘となった場合、大腸がんがないことを確認する必要があります。

非狭窄性と機能性はさらに、症状により「排便回数減少型」と「排便困難型」に分けられます。

 

治療としては

  1. 生活習慣の改善
    • 食事、運動、飲酒、睡眠など
  2. 内服薬による治療
    • プロバイオテクス
    • 膨張性下剤
    • 浸透圧性下剤
    • 刺激性下剤
    • 上皮機能変容薬
    • 消化管運動賦活薬
    • 漢方薬
    • バイオフィードバック療法
      • 機能性排便障害に対して
  3. 外用薬による治療
    • 坐剤
    • 浣腸
  4. 摘便
  5. 逆行性洗腸法

 

などがあります。

 

基本的な治療としては浸透圧性下剤である酸化マグネシウムや上皮機能変容薬を使用しつつ、漢方薬、消化管運動賦活薬を適宜組み合わせるという感じです。

どうしても便がでない場合は刺激性下剤(センノシドなど)で対応します。

 

 

 

長くなりましたので、もう一つの理由である新しい治療薬については次回掲載します。