最近便秘治療が話題です。
その理由の一つ目は昨年10月に『慢性便秘症診療ガイドライン』(以下ガイドライン)が発表されたこと、もう一つが便秘に対する新しい治療薬が発売されることです。
ガイドラインでは便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。
ですので1日1回以上便が出ていても、快適に出ていないと感じればそれは便秘ということになります。
またガイドラインでは慢性便秘症の分類を、まず「器質性」と「機能性」に分け、器質性を「狭窄性」と「非狭窄性」に分けています。
狭窄性で重要なのは大腸がんです。
もともと便秘でない人が便秘となった場合、大腸がんがないことを確認する必要があります。
非狭窄性と機能性はさらに、症状により「排便回数減少型」と「排便困難型」に分けられます。
治療としては
- 生活習慣の改善
- 食事、運動、飲酒、睡眠など
- 内服薬による治療
- プロバイオテクス
- 膨張性下剤
- 浸透圧性下剤
- 刺激性下剤
- 上皮機能変容薬
- 消化管運動賦活薬
- 漢方薬
- バイオフィードバック療法
- 機能性排便障害に対して
- 外用薬による治療
- 坐剤
- 浣腸
- 摘便
- 逆行性洗腸法
などがあります。
基本的な治療としては浸透圧性下剤である酸化マグネシウムや上皮機能変容薬を使用しつつ、漢方薬、消化管運動賦活薬を適宜組み合わせるという感じです。
どうしても便がでない場合は刺激性下剤(センノシドなど)で対応します。
長くなりましたので、もう一つの理由である新しい治療薬については次回掲載します。