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血便が出たら要注意!原因と受診の目安を解説

2024.11.24

突然血便が出たとき、誰でも不安になるものです。でも、あわてて心配する前に、まずは正しい知識を身につけましょう。この記事では、血便の種類や原因、そして対処法について、わかりやすくお伝えしていきます。

【血便の種類と見分け方】

血便には、大きく分けて2種類あります。鮮やかな赤色の血が混ざる「新鮮血」と、黒っぽい色の「黒色便」です。
新鮮血は、主にお尻に近い部分からの出血で、痔(じ)が代表的な原因です。トイレットペーパーについた程度の少量であれば、すぐに心配する必要はありません。
一方、黒色便は消化管の上の方(胃や十二指腸など)からの出血が消化されて黒くなったものです。コーヒーの粉を溶かしたような色や見た目になります。

【血便の原因 – 部位別・疾患別の詳しい解説】

肛門部の疾患

・痔核(いわゆる痔): 出血性の痔核は最も一般的な原因です。排便時に鮮やかな赤色の血が付着します。痛みを伴うこともあります。便秘や下痢が悪化要因となります。

・裂肛(れっこう) :肛門に傷ができる状態です。硬い便を無理に出すことで起こりやすく、排便時に鋭い痛みと出血を伴います。

・肛門周囲膿瘍(のうよう): 肛門の周りに膿が溜まる感染症です。痛みや腫れとともに出血することがあります。発熱を伴うことも多いです。

大腸の疾患

・大腸ポリープ:大腸内にできる良性の腫瘍です。多くは無症状ですが、便が擦れることで出血することがあります。定期的な検査で見つかることが多いです。
・大腸がん:50歳以上で要注意の疾患です。血便以外に、便通の変化や腹痛なども症状として現れます。早期発見が重要です。
・大腸憩室(けいしつ):腸の壁が外側に袋状に飛び出す状態です。出血すると大量の新鮮血を伴うことがあります。高齢者に多く見られます。
・虚血性腸炎:腸に血液を送る血管の血流が一時的に低下または途絶えることで起こる疾患です。突然の腹痛の後に血便が見られるのが特徴です。高齢者や高血圧、糖尿病、動脈硬化がある方に多く見られます。
・感染性腸炎:細菌やウイルスによる腸の感染症です。下痢や発熱とともに血便が見られることがあります。

炎症性腸疾患

・潰瘍性大腸炎:大腸の粘膜に潰瘍ができる原因不明の病気です。粘血便(粘液と血液が混ざった便)が特徴的です。
・クローン病: 消化管のどの部分にも炎症が起こりうる病気です。血便の他、腹痛や体重減少なども見られます。

上部消化管の疾患

・胃潰瘍・十二指腸潰瘍:胃酸で粘膜が傷つき、出血すると黒色便となります。胃の痛みを伴うことが多いです。ピロリ菌感染や鎮痛薬の内服が原因となります。
・食道静脈瘤(じょうみゃくりゅう):肝硬変の合併症の一つで食道の血管が瘤(こぶ)状に膨らむ状態です。破裂すると大量の黒色便となり、緊急性が高い状態です。

その他の原因

・抗凝固薬の影響:血液をサラサラにする薬を服用している方は、出血しやすくなっています。
・血液疾患:血小板減少症などの血液の病気でも、血便が見られることがあります。

【受診の目安と家でできる対策】

受診の目安

• 黒色便が出た場合
• 多量の出血がある場合
• 血便が1週間以上続く場合
• 38度以上の発熱や強い腹痛を伴う場合
• 50歳以上で初めて血便が出た場合

家でできる対策

まず食事の改善が大切です。食物繊維を十分に取り、便秘を防ぎましょう。野菜やきのこ類、海藻類を積極的に食べるようにします。また、お尻を清潔に保つことも重要です。トイレの後はやさしく拭き、必要に応じてウォシュレットを使用します。
激しい運動や長時間の座り仕事は、痔の症状を悪化させる可能性があります。適度な運動を心がけ、長時間同じ姿勢を続けないようにしましょう。

血便が出たときは記録を取っておくと、病院での診察時に役立ちます。出血の量や色、頻度、他の症状の有無などをメモしておきましょう。
最後に、不安な症状があるときは、ためらわずに医療機関を受診することをお勧めします。早期発見・早期治療が何より大切です。

この記事は、20年以上の臨床経験を持つ消化器内科専門医が監修しています。記事の内容は、最新の医学的知見に基づいて作成されていますが、あくまでも一般的な情報提供を目的としています。具体的な診断や治療については、必ず医師に相談してください

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