コーヒーを飲めば長生きできる?

コーヒーは健康にいいのでしょうか?

昔からコーヒーは胃によくないと言われたりしていました。

最近では慢性肝炎の患者さんがコーヒーを飲むと肝臓がんになりにくいという結果も出ています。

 

イギリスから、50万人を観察した結果コーヒーを飲むと死亡のリスクが減少すると報告されました。JAMA Intern Med. 2018;178(8):1086-1097

コーヒーを全く飲まない人の死亡リスクを1とすると、1日に1杯未満、1杯、2-3杯、4-5杯、6-7杯、8杯以上の場合の死亡リスクはそれぞれ、0.94、0.92、0.88、0.88、0.84、0.86であり、コーヒーを飲む人は死亡のリスクが低下することが示されました。

 

また、ヨーロッパからも同様にコーヒーを飲む人で全死亡リスクが低下し、特に消化器系の疾患での死亡リスクが男性では0.41、女性では0.60と著明に低下すると報告されました。 Ann Intern Med. 2017;167(4):236-247

 

以上のようにコーヒーは死亡リスクを減らす効果がありそうです。ただし砂糖を入れすぎると摂取カロリーが増えるので注意が必要です。

何事もほどほどが大切だとは思いますが、コーヒーもほどほどに楽しみましょう。

 

地震、雨、台風

今年の夏は6月18日の地震で始まり、その後大雨が続いたと思ったら猛暑で、さらに台風が直撃しました。

これで終わりかと思ったら昨日から今朝にかけて大雨警報が発令されました。

自然の怖さを実感した夏でした。

 

当院は地震の被害はありませんでしたが、台風の影響で停電・断水となったため一時休診せざるを得なくなりました。

休診中も何人かの患者さんが来られましたが、帰っていただくしかなく大変ご迷惑をおかけしました。

現在は停電も解消され、通常通り診療しています。

 

自宅の方も停電の影響でお湯が出なくなり、お風呂に入れなくなりました。

近所の銭湯に聞くと営業しているとのことでしたので、久しぶりに広いお風呂に入りに行きました。

たまにはいいものですね。

 

北海道でも大きな地震が起こり、不自由な生活を強いられている方々がたくさんおられます。

少しでも早く復旧し、普段通りの生活に戻れるよう祈っています。

暑い日が続きます

こんにちは。

今年の夏は地震で始まり、大雨が続き、雨がやんだと思ったら連日の猛暑が待っていました。

これだけ暑いと体調を崩される方も多いと思います。

 

暑い時期の体調を崩す原因の代表は、やはり熱中症です。日本救急医学会の熱中症分類2015にも

『暑熱環境に居る、あるいは居た後の体調不良はすべて熱中症の可能性がある。』

と書かれています。

熱中症が起こりやすい環境として、高温以外に湿度が高い、風が弱いなどがあります。

高齢者では屋内で発症する熱中症が多く、この場合日常生活の中で徐々に進行し、周囲の人に気づかれにくく対応が遅れる危険があります。特に高齢の女性、独り暮らし、高血圧・糖尿病・認知症などを持っている人が重症化しやすいと言われています。

ですから特に高齢の方はエアコンを使用することが大切です。

また水分、塩分の補給も重要です。

飲み物の種類としては、塩分と水分が適切に配合された経口補水液が適切とされていますが、市販のスポーツドリンクでも予防にはなります。

梅昆布茶や味噌汁などもミネラル、塩分が含まれており、予防に有効と考えられています。

水1リットルに1-2グラムの食塩と砂糖大さじ2-4杯を入れたものを家庭で作ってもよいでしょう。味が物足りなければレモン汁を入れると飲みやすくなります。

 

予防していても次のような症状が出たら熱中症の可能性があります。

  1. 顔のほてり、めまい
  2. 筋肉痛や筋肉のけいれん(こむらがえり)
  3. 汗のかきかたがおかしい。
  4. 体温が高い、皮膚の異常
  5. 呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
  6. 自分で水分補給ができない

このような症状がある場合はすぐに医療機関を受診してください。また症状が重い時は迷わず救急車を呼びましょう。

 

まだまだ暑い日が続きますが、体調に気をつけてお過ごしください。

ワールドカップ

サッカーのワールドカップが盛り上がっています。

日本も決勝トーナメント進出が決まり、どこまで勝ち進むか楽しみです。

 

ワールドカップと言えば2015年のラグビーワールドカップも日本代表の健闘が光りました。

あの南アフリカを破るという大金星。

当時その偉業を他の分野でたとえるというのが少しはやりました。

 

これは釣りに例えてます。釣りはよくわからないのでたとえが合っているのかわかりません。

 

これは格闘技ですね。なんとなくわかるような。

 

 

ドラゴンボールシリーズはわかりやすいです。とりあえずフリーザが強いことがよくわかります。

 

 

ガンダムもわかりやすいです。

 

ということで、とにかくすごいことでした。

 

サッカーの次の試合は日本時間の深夜にあるので、観戦すると診療に差しつかえてしまいます。

ですので南アフリカ戦の時と同じように、起きたら勝ってたというのを期待しようと思います。

クリニック周りに田んぼが多い理由は?

6月になりました。

大阪や神戸まで電車で30分もかからない都会にありながら、クリニックの周りには田んぼや畑が残っています。

田んぼには水が張られていて、もうすぐ田植えが始まるようです。

このあたりに田んぼが多いのは、”武庫之荘”という名前のためだと思っていました。

つまり、”荘”がついているのは昔このあたりが荘園だったからで、その名残で田んぼが多いのだと。

で、調べてみました。

 

このブログによると

 

”武庫之荘という名称は、平安時代の摂

関家藤原・九条氏領を経て、奈良春日社・興福寺
領となった武庫庄(荘)の荘園に由来するものでなく、単に各所の住宅開発地で名付けら
れた○○荘や××園などによる

ものである”

 

とのことで、武庫之荘は荘園でなかったと早とちりしそうになります。

しかしよく読むと、”武庫之荘”という名称が荘園由来でつけられたわけではないと書いてありますが”武庫庄”という荘園はあったと考えられます。

 

そこでwikipediaを調べてみました。武庫之荘あたりは昔『武庫村』と呼ばれていたようです。

その『武庫村』は

 

常吉村・常松村・時友村(飛地を除く)・友行村・東武庫村・西武庫村・生津村・西富松村・守部村・西昆陽村(飛地を除く)・武庫庄村・川辺寺本村(飛地)の区域をもって発足”

 

とあります。

ここに”武庫庄”という地名が出てきました。

“武庫庄”で検索すると、このサイトにたどり着きました。

これによると、武庫之荘本町1丁目付近に武庫城という城があり、その付近は鎌倉時代には荘園があったとのことです。

この荘園が”武庫庄”ということになるかと思われます。

 

なお、武庫之荘という地名は小林一三さんが命名されたとのこと(wikipediaより)

 

以上より

やはり武庫之荘本町周辺には荘園があったようです。

クリニックの周りの田んぼが鎌倉時代から続いていると考えると、ロマンを感じますね。

時間のある時に散歩して、昔の名残を探してみようと思います。

机がすっきりしました

ゴールデンウイークに入り、今日から4連休です。

 

診察室の机にはモニターが3台あります。

真ん中と右のモニターが電子カルテ用で、左が内視鏡や超音波の画像を見るためのものです。

コンピューター2台(電子カルテ用、画像用)に対して、モニターを3台置いている状態です。

2台のコンピューターそれぞれにキーボードとマウスが必要なため、写真のように机の上がかなりごちゃごちゃしていました。

これを改善したいと思っていろいろと調べたところ、とてもいいものを見つけました。

 

一つのキーボード、一つのマウスで2台のコンピューターを操作することができます。

そのうえ、電子カルテで入力した所見をコピーして、コンピューターをまたいで内視鏡の方に貼り付けることもできます。

机の上もすっきりして、言うことなしです。

キーボードを打っているとたまに入力先を間違えますが、慣れればそれもなくなるでしょう。

 

これで診療のスピードもあがり待ち時間も短くなればもう完璧です。

 

ヨーロッパ肝臓学会

毎年4月にヨーロッパで肝臓学会(EASL)が開催されます。

秋のアメリカ肝臓学会と並んで肝臓の世界では2大イベントです。

今年のEASLは4月11日から15日までフランスのパリで開催されました。

EASLのウェブサイトによると日本からは159人が参加されたようです。

 

学会で発表された内容の主なものをまとめているサイトがありますので、それを見るとどのようなことが世界で話題になっているかを知ることができます。

 

C型肝炎ではエレルサ・グラジナやマヴィレットの発売後の結果、ウイルス排除後の発がんに関する検討、肝硬変患者に投与しウイルス排除した後の肝機能に与える影響などが主な話題のようです。

 

B型肝炎では新しい抗ウイルス治療薬の基礎的なデータや臨床試験のデータが発表されています。

 

NGM282という薬の臨床試験の演題もいくつかあります。

この薬はFGF19という人間の体の中にある物質に近い構造を持ちます。

肝臓の脂肪を減らすのが主な作用で非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者の脂肪肝に対して使用する臨床試験が行われており、今回12週間の治療で肝臓の脂肪が減っているという結果が発表されています。

この薬剤には脂肪を減らす作用だけでなく線維化を改善する作用もあるようで、原発性硬化性胆管炎(PSC)に対しても臨床試験が行われています。

PSCは胆管に炎症が生じその周囲に線維化が起こり、最終的に肝硬変となる病気です。

現在有効な治療はなく、肝移植が必要となります。

PSC患者にNGM282を12週間投与すると線維化の指標に改善の傾向が見られました。

長期間投与することで実際に線維化が改善すれば、PSCの治療薬として非常に意義があるものと思われます。

 

以上簡単に読んだだけの感想ですが、開業してからのわずか半年の間にも新たな話題がでてきており、置いて行かれないようにしたいと思います。

最近便秘が話題です|その2

前回、便秘診療についてのガイドラインがでたことをお知らせしました。

今回は便秘が最近話題ということのもう一つの理由である、新しい薬についてお話します。

 

便秘に対する治療薬には以下のようなものがあります。

  • プロバイオテクス
  • 膨張性下剤
  • 浸透圧性下剤
  • 刺激性下剤
  • 上皮機能変容薬
  • 消化管運動賦活薬
  • 漢方薬

この中で、これまでは浸透圧性下剤である酸化マグネシウムや刺激性下剤であるセンノシドが主に使用されてきました。

2012年に上皮機能変容薬であるアミティーザが登場しました。

上皮機能変容薬とは聞きなれない言葉ですが、上皮とは大腸の粘膜の表面にある細胞の集まりのことですのでその働きを変えることにより便秘を解消する薬ということになります。

具体的には、大腸の上皮細胞からの水分の分泌を増やすことで便を出やすくします。副作用としては下痢、吐き気、嘔吐などがあります。下剤の副作用で下痢ということは、効果がありすぎるということですね。

 

今年、もう一つの上皮機能変容薬であるグーフィスが発売となります。

これは小腸の細胞に存在する胆汁酸を吸収する分子の働きを抑えることで、胆汁酸が腸から吸収される量が減り大腸に入る量が多くなります。

大腸に入った胆汁酸は水分を分泌させ、さらに消化管運動を促進させるため下剤としての効果が現れます。

 

このように便秘に対して使える薬が増えてきましたので、よりきめ細かい治療ができるようになります。

最近便秘が話題です|その1

最近便秘治療が話題です。

その理由の一つ目は昨年10月に『慢性便秘症診療ガイドライン』(以下ガイドライン)が発表されたこと、もう一つが便秘に対する新しい治療薬が発売されることです。

 

ガイドラインでは便秘を「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。

ですので1日1回以上便が出ていても、快適に出ていないと感じればそれは便秘ということになります。

 

またガイドラインでは慢性便秘症の分類を、まず「器質性」と「機能性」に分け、器質性を「狭窄性」と「非狭窄性」に分けています。

狭窄性で重要なのは大腸がんです。

もともと便秘でない人が便秘となった場合、大腸がんがないことを確認する必要があります。

非狭窄性と機能性はさらに、症状により「排便回数減少型」と「排便困難型」に分けられます。

 

治療としては

  1. 生活習慣の改善
    • 食事、運動、飲酒、睡眠など
  2. 内服薬による治療
    • プロバイオテクス
    • 膨張性下剤
    • 浸透圧性下剤
    • 刺激性下剤
    • 上皮機能変容薬
    • 消化管運動賦活薬
    • 漢方薬
    • バイオフィードバック療法
      • 機能性排便障害に対して
  3. 外用薬による治療
    • 坐剤
    • 浣腸
  4. 摘便
  5. 逆行性洗腸法

 

などがあります。

 

基本的な治療としては浸透圧性下剤である酸化マグネシウムや上皮機能変容薬を使用しつつ、漢方薬、消化管運動賦活薬を適宜組み合わせるという感じです。

どうしても便がでない場合は刺激性下剤(センノシドなど)で対応します。

 

 

 

長くなりましたので、もう一つの理由である新しい治療薬については次回掲載します。

大腸内視鏡検査で大腸がんを減らせるの?

大腸内視鏡検査行うことによって大腸がんのリスクを減らすことが可能なのでしょうか。

最近イギリスの医学雑誌に発表された論文では大腸内視鏡検査を行うことで大腸がんによる死亡を減らすことが示されました。

Doubeni CACorley DAQuinn VP, et al
Effectiveness of screening colonoscopy in reducing the risk of death from right and left colon cancer: a large community-based study

 

アメリカの民間保険に加入している1,800,000人以上の患者データを使った研究です。1,800,000人のうち大腸がんで死亡した人が1,747人存在しました。その人たちと年齢、性別、人種、教育歴などが一致するように大腸がんにかからなかった人3,460人を抽出し、大腸がんで死亡した人と比較しました。

結果ですが

内視鏡検査あり/なしのオッズが

 大腸がん患者  24/1,358

 非がん患者   120/2,310

ですので、オッズ比が約0.34となり(論文では調整が入るためか0.33となっています)、内視鏡検査をうけることによって大腸がんで死亡する確率を67%減らすことができるというものです。

 

非常に多数の患者さんのデータから集計していますので、信頼性は高いのではないかと思われます。

一人でも大腸がんの方が減るように、内視鏡検査を受けていただきたいと思います。