非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とはアルコールを飲まないにもかかわらず、アルコール性脂肪肝に似た変化が肝臓に起こる疾患です。単なる脂肪肝だけのこともあれば、脂肪性肝炎という肝炎を起こし肝硬変に進展することもあります。”脂肪肝”という単語から連想されるように、この疾患はいわゆる”メタボリックシンドローム”が肝臓に表れたものとも考えることができます。このため治療としては食事療法や運動療法で体重を減らし、肝臓に脂肪がたまらないようにすることが中心となります。
そのNAFLDですが、肝硬変に進展すると肝臓ガンが合併しやすいことはよく知られています。ところが最近NAFLDは、肝臓ガンだけでなく他のガンにもかかりやすいかもしれないと報告されました。
Association between non-alcoholic fatty liver disease and cancer incidence rate
これによると、NAFLDでは男性で大腸ガンのリスクが2倍、女性で乳ガンのリスクが2倍程度であったとのことです。
肝臓だけでなく、他の臓器も注意して診療する必要があります。