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遠隔病理診断

いとせクリニックです。

最近では情報通信技術の発達により、医療の現場でも新たなシステムが登場してきています。当院では、血液検査の結果をネットワーク経由で確認することができます。またクラウド型電子カルテを利用しているクリニックも多くなってきています。

今回はこのような新しい技術についてのお知らせです。

 

総務省事業「医師対医師の遠隔医療の普及促進にかかる調査研究」衛生検査所を介した医療機関連携による遠隔病理診断モデルの実証調査当院参加のお知らせ

当院では内視鏡検査を行なっていますが、その際に生検し病理検査に提出することがあります。生検を受けられた場合、病理検査を行いその結果が得られるまでに通常2週間程度の日数がかかっております。この度、病理検査の迅速化と効率化を目的として総務省の研究事業が開始されることになりました。この研究では情報通信技術(ICT)を利用した「遠隔病理診断ネットワーク」と呼ばれる仕組みを利用します。病理検査に関する情報を電子化し、高い機密性と追跡可能性を担保した仕組みの中で医師同士が直接各種情報をやり取りすることによって、搬送工程を省き迅速に対応でき、結果の待ち時間を短縮させようとするものです。

当院は、この研究に参加することと致しました。現在、当院で生検を行った場合、それを衛生検査所に送り標本作製をしてもらい、次に病理医のところへ搬送、診断後病理検査報告書が一旦衛生検査所へ返送された後、当院まで届けられるようになっています。2020年1月から3月末までの約2か月間の研究期間中は、(1)今まで通りの方法で病理検査報告書を入手するとともに、(2)衛生検査所で標本が作製されるとそれを電子画像とし、遠隔病理診断ネットワークでやり取りする方法を並行して行うことになります。従って、この研究期間中も、生検を受けられた患者さんにとりましてはなんら変わることなく病理検査を受けることができます。本調査研究で、前述のネットワークの有用性が証明され、利用されるようになりますと、迅速かつ密な医師対医師のコミュニケーションが図られ質の高い医療情報が得られることになります。

今回、研究のために測定しますのは、ほとんどが当診療所と衛生検査所、病理診断施設の間の検体の搬送を含めた各作業工程の所要時間で、患者さんの医療情報は研究対象とはなっておりません。研究で得られる時間測定、省力化、経費削減の評価結果は、本事業の報告、専門の学会や学術集会で発表されることはありますが、患者さんが特定される情報が外部に公表されることは一切ありません。

生検を行なった方には改めて説明し、ご協力をお願いしております。

何卒よろしくお願いいたします。