C型肝炎ウイルスはその名の通り肝臓に炎症を起こしますが、実は肝炎だけでなく様々な病気の原因となります。
例えば。。。
リンパ増殖性疾患:クリオグロブリン血症・悪性リンパ腫
自己免疫性疾患:膜性増殖性糸球体腎炎・慢性甲状腺炎・シェーグレン症候群
代謝疾患:糖尿病
心疾患:拡張型心筋症・肥大型心筋症・不整脈原性右室心筋症・慢性心筋炎
皮膚・粘膜疾患:扁平苔癬・晩発性皮膚ポルフィリン症
などです。
あまりなじみのないものもありますが、いろいろな病気の原因となることがわかっていただけるかと思います。
このような病気を合併している場合C型肝炎ウイルスを排除することでその病状が改善することが期待されるのですが、免疫力を強くするインターフェロン治療ではかえって病状が悪化する恐れがあったため、ウイルスの排除が困難でした。
最近のインターフェロンを使わない経口薬
による治療でウイルスを排除することで、このような病状が改善するのではないかと思っていましたが、実際に皮膚の慢性疾患である乾癬が改善したという報告がありました。
C型肝炎ウイルスを排除することで肝硬変への進行や肝臓がんの発生が抑えられることは明らかですが、今回の報告のようにその他の症状も抑えられることが徐々にわかってきました。
逆にウイルスを排除すると、コレステロール値が上昇することもあるようです。
治療が終わっても、全身をしっかり経過観察していくことが大切です。