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甲状腺とキャベツ

患者さんからの質問

先日患者さんから、「私は甲状腺が悪いと言われています。甲状腺が悪いとキャベツを食べたらいけないと聞いたのですが本当でしょうか?」と聞かれました。

甲状腺疾患で気を付けるべき食品

甲状腺の病気で気を付けるべき食品で有名なものはヨウ素を含む海藻類です。体の中に入ったヨウ素は甲状腺に取り込まれ、甲状腺ホルモンの材料になりますのである程度の量のヨウ素は必要です。しかし、必要以上の多量のヨウ素を摂取すると甲状腺の組織が破壊され、橋本病(慢性甲状腺炎)が発症する可能性があります。日本人はヨウ素が多く含まれる海藻類の摂取量が多いため、甲状腺機能低下症の患者さんでは昆布、ヒジキ、もずくなどは制限する必要があります。

甲状腺とキャベツ

キャベツについては、アブラナ科の野菜(キャベツ、ブロッコリー、かぶ)に含まれるゴイトロゲンとう物質が甲状腺ホルモンの分泌を妨げるために食べないほうがいいという説があります。
しかしながら、通常量のゴイトロゲンを摂取することで甲状腺機能異常が起こるという報告はありません。甲状腺機能が生じるには毎日1㎏以上のキャベツを食べ続けないといけません。

患者さんへの返答

以上より、冒頭の患者さんへの返事としては、「キャベツを食べても構いませんが食べ過ぎないようにしてください。」ということになります。何事もそうですが、過ぎたるは猶及ばざるが如しです。