病気の情報

C型慢性肝炎について

C型慢性肝炎とはどんな病気?

C型慢性肝炎とははC型肝炎ウイルスにより肝臓の働きが悪くなる病気です。我が国にはC型肝炎ウイルスに感染している人が150〜200万人いると言われています。この中には自分が感染していると気づいていない人が約80万人ほどいると推測されています。

C型慢性肝炎になると、ウイルスにより長期間肝臓で炎症が起こり、細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなります。はじめのうちは症状はほとんどありませんが、治療せずに放置して数十年たつと肝硬変に進行したり、肝臓がんができたりすることがあります。

 

C型肝炎の検査は受けたほうがいい?

上記のようにC型肝炎ウイルスに感染しても、初期にはほとんど自覚症状がありません。放置すると肝硬変や肝臓がんへと進行する可能性があります。

現在我が国には100万人以上の方がC型肝炎ウイルスに感染していると推測されています。このうち多くの方が感染していることに気づいていないと考えられています。

C型慢性肝炎に対する治療法は進歩しています。早めに治療しウイルスを排除することで、肝硬変や肝臓がんへの進行を予防できることが明らかとなっています。

C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは血液検査でわかります。各自治体でも検査を行っています。

尼崎市では40歳以上の方を対象とした肝炎ウイルス検診ハイリスク者に対する肝炎ウイルス検診を行っています。
いとせクリニックでも肝炎ウイルス検診に対応していますのでお問い合わせください。

 

どんな人がC型慢性肝炎にかかるの?

C型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。ウイルス感染者の血液が他の人の体内、特に血液の中に入ることによって感染します。このため日常生活で感染することはほとんどありません。

現在わが国では輸血や血液製剤に用いられる血液はC型肝炎ウイルスに感染していないかを検査し、感染のないもののみが使用されています。感染者の多くはC型肝炎ウイルスが発見される前の輸血や血液製剤を投与された方や、注射針の使いまわしなどにより感染したものと考えられます。

感染のリスクが高い方

・1992年以前に輸血を受けた方
・血液製剤(フィブリノゲン製剤・凝固因子製剤)を投与された方
・長期に血液透析を受けている方
・臓器移植を受けた方
・入れ墨・ボディピアスを入れている方
・静注薬物乱用者

上記に当てはまる方は特に検査を受けることをおすすめします。

 

C型慢性肝炎を治療しないと?

C型慢性肝炎は症状はほとんどありませんが、気づかないうちに肝臓の細胞が徐々に壊れ、治療しないと10〜30年で肝硬変や肝臓がんに進行します。

肝硬変とはC型肝炎ウイルスによって引き起こされた肝臓の炎症で細胞が壊れ、それを修復するために線維成分が増加して肝臓が硬くなった状態のことです。肝硬変になると様々な症状が現れます。また重大な合併症を引き起こしやすくなります。

肝硬変の症状

・体のむくみ
・黄疸
・腹水がたまりおなかが張る
・体がだるい(倦怠感)
・疲労感・食欲不振

肝硬変の合併症

・食道静脈瘤
・肝性脳症
・肝臓がん
・腹水
・特発性細菌性腹膜炎
・肝腎症候群

C型肝炎ウイルスは肝臓がんの原因の60-70%を占めています。C型慢性肝炎を治療することで肝臓がんの予防につながります。C型慢性肝炎の治療の進歩によりウイルス排除された方が増えたため、肝臓がん患者に占めるC型肝炎ウイルス感染者の割合は徐々に低下してきています。

 

C型肝炎ウイルスを発見する検査は?

C型肝炎ウイルスは血液中に存在するので、血液検査で調べることができます。まずはC型肝炎ウイルス抗体の有無を調べます。抗体が陽性の場合、実際にウイルスが感染している場合と以前に感染していてすでに排除されている場合があります。そこで抗体が陽性であれば体の中にウイルスが存在するかどうかを確認します。確認の方法は新型コロナウイルスの検査で有名になったPCR法を用いた検査です(HCV核酸定量検査)。この検査で陽性ならC型慢性肝炎と診断されます。

C型慢性肝炎と診断されたらどのような検査を受けるの?

C型慢性肝炎と診断されたら、肝炎の程度と肝硬変への進行の程度を評価します。また肝臓がんの合併の有無を調べます。

炎症の程度を調べる検査

肝炎によって肝臓の細胞が壊れ、肝臓の細胞に含まれる成分が血液中に流れ出ます。このうち血液検査でよく使われるのがASTとALTです。肝炎の程度が強いとより多くの細胞が壊れるためASTとALTは上昇します。

肝硬変への進行を判断する検査
血小板数

血小板は血液に含まれる細胞の一種です。 血管の傷ついた部位に集まって、止血する作用があります。肝線維化の進行に伴い、血中の血小板数が減少します。10万/mm3以下が肝硬変と診断する目安です。

FIB-4 index

AST、ALT、年齢、血小板数から以下の式で計算します。肝線維化の進行に伴い上昇します。
AST (IU/L) x 年齢(歳) / {10 x血小板数 (万/μL) x√ALT(IU/L)}

M2BPGi (Mac-2 binding protein glycosylation isomer)

2015年より保険適用となった新しい項目です。肝線維化の進行に伴い上昇します。

肝予備能の検査
アルブミン・コリンエステラーゼ

肝臓で作られるタンパク質です。肝予備能が低下すると低値となります。

ビリルビン

通常ビリルビンは肝臓で処理され、胆汁に排泄されますが、肝予備能が低下するとビリルビンが処理できなくなり高値を示します。ビリルビンが高値となると黄疸を認めるようになります。

プロトロンビン時間

肝臓で作られる血液凝固因子であるプロトロンビンの作用を示す項目です。肝予備能が低下するとプロトロンビン時間は延長します。

画像検査

肝臓がんの有無を調べるとともに、肝臓の形態から肝障害の程度がわかります。
腹部超音波検査、CT、MRIといった検査が行われます。
またフィブロスキャンでは肝臓の硬さを測定し、線維化の程度を評価することができます。

C型慢性肝炎の治療法は?

C型肝炎ウイルスを排除するための抗ウイルス療法と、肝臓の炎症を抑えることで肝炎の進行を防ぐ肝庇護療法があります。

抗ウイルス療法

C型肝炎ウイルスの増殖を抑制し排除する治療です。以前はインターフェロンという注射薬が使われていましたが、現在ではインターフェロンを使用しない「インターフェロンフリー治療」が主流となっています。

インターフェロンフリー治療

インターフェロンを使用しない飲み薬のみの治療です。治療期間は8〜12週間です。90%以上の人にウイルス排除が得られます。

インターフェロン治療

体内でも作られる抗ウイルス作用を持つタンパク質であるインターフェロンを定期的に注射します。様々な副作用があり、治療効果もインターフェロンフリー治療に劣るため最近ではほとんど行われなくなりました。

肝庇護療法

合併症や副作用のため抗ウイルス療法が行えない場合に肝炎の進行を予防するために行われます。

ウイルスが排除されたら通院しなくていい?

C型肝炎ウイルスが体内から排除されると肝炎が鎮静化され、肝硬変への進行と肝臓がんの発がんが抑制されます。しかしながら発がんの可能性が全くなくなるわけではありません。特に治療前に線維化が進行していた方では注意が必要です。
このためC型肝炎ウイルスが排除された後も定期的に画像検査を受けることが重要です。