JDDW2019その2

JDDWその2です。

23日は祝日だったので朝から参加することができました。

この日の目的は、ワークショップ「我が国に置ける腸管感染症治療の現状と展望」を聴くことです。

印象に残った話を紹介します。

  1. 久留米の施設からのキャンピロバクター腸炎の診断と治療についての報告。潰瘍性大腸炎との鑑別が重要。回盲弁上のびらんが特徴。組織学的には好中球浸潤、陰窩膿瘍が見られることがある。治療はマクロライド系が効く。セフェム系は効かない。
  2. C.difficile感染症に対する便移植の報告。上気道炎に対する抗生物質使用後に重症のC.diffilile感染症を発症した症例に便移植を行ったところ著効した。風邪に安易に抗生物質を処方するのが怖くなりました。
  3. 腸管スピロヘータの検討。潰瘍性大腸炎との鑑別が必要な場合がある。ポリープの原因となることがあり、スピロヘータに対する治療を行うとポリープが縮小した例がある。
  4. HIV感染者に見られるサイトメガロウイルス感染症についての検討。サイトメガロウイルスによる腸管病変は打ち抜き潰瘍が特徴だが、HIVでも打ち抜き潰瘍となることがある。まずはサイトメガロウイルスの治療を行い、その後HIVに対する治療を開始する。先にHIVの治療を行うとIRIS (immune reconstitution inflammatory syndrome)が起こり、潰瘍からの出血や穿孔の原因となることがある。IRISとは、HIV治療によりHIVのウイルス量が減少し免疫が回復するために潰瘍が悪化する状態。de novo B型肝炎に少し似ているような。
  5. インフルエンザによる腸管感染についての検討。インフルエンザの時に急性胃腸炎症状が出ることがあるが、インフルエンザウイルスが腸管に感染しうるかについての報告。ウイルス自体は胃液で簡単に不活化されるが、喀痰など粘液で包まれていると不活化されにくくなり腸管にたどり着くことができるとのこと。インフルエンザ発症後1ヶ月近く便にウイルスが検出された症例もあった。

この中には以前同じ病院で働いていた後輩が発表した演題もありました。発表も、質疑応答の受け答えも立派にこなしていて、成長を感じました。

 

 

JDDW2019その1

今年も神戸でJDDWが11月21日から24日の日程で開催されています。

クリニックの診療がない21日の午後と23日に参加してきました。

 

21日は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の演題を聴きました。

NASHに対する治療薬はまだ開発中の段階であり、肝炎を抑えることができても線維化を改善することができる薬はありません。このため創薬が大きな課題です。

糖尿病を合併している方には、糖尿病治療薬であるSGLT-2阻害薬やGLP-1受容体作動薬が効果を認めるとの発表もありましたが、糖尿病を合併していない場合には結局生活習慣改善、血圧やコレステロールのコントロールが重要との話でした。

NASHは様々な要素が病態に関わっているため、一つの薬で解決することは難しそうです。

NASHは線維化の進行が予後に大きく関わってきますが、線維化の診断には簡便なFib-4 indexが有効です。

そのほか、MRIを用いた検討もありました。肝生検やフィブロスキャンと異なり、肝臓の広い範囲を評価することができます。

まだ一般的な検査ではありませんが、もし多くの施設で検査できるようになっても全てのNASH症例に行うことは非現実的と思われますので、Fib-4 indexなどで高リスク症例を絞り込んだ上で行うのが良いと感じました。

画像検査では炎症と線維化の双方を評価することが難しかったのですが、これについても画像的に評価する方法が開発されつつあるようです。

C型肝炎が治療できるようになったので、NASHもいつかは克服できる日が来ると信じています。

 

ところでこの日、とても懐かしい人に再会しました。

大学のラグビー部で僕と同じポジションの先輩だった方です。

最後にお会いしたのは25年前、愛知県の明治村でこの方の結婚式でした。

大学卒業後名古屋で研修しその後留学されたため、大阪の人達とはほとんど連絡されておらず行方不明扱いされていたとのことです。

現在は某製薬会社に勤務されており、頂いた名刺には執行役員との肩書が。

とても偉い方になっておられました。

お互い近況報告したり、久しぶりの再会に盛り上がりました。

 

夜は以前勤めていた病院のOB会に参加しました。

ここでも懐かしい人達と会うことができました。

指導医

尼崎・武庫之荘の内科・消化器内科 いとせクリニックです。

 

消化器内科医のほとんどは日本消化器病学会の会員になっています。

会員になって5年以上経ち、試験に合格すると専門医となります。

専門医となり、学会で発表したり論文を書いたりなどを続け、専門医資格を更新してキャリアを積むと、指導医の資格を得ることができます。

病院勤務していた頃は指導医の資格を持っていたのですが、認定施設に勤務している事が指導医の要件だったため、退職と同時に資格を喪失しました。

昨年9月に制度が変更され、”2018年以前に、認定施設または関連施設に常勤することができなくなったことを理由に指導医資格を喪失したものは、70歳未満で専門医資格を継続していれば、指導医資格の喪失の取り消しを申請できる” ということになりました。

そこで早速申請してみたところ、先日指導医証が送られてきました。

長年やってきたことが無駄にならずに、よかったです。

 

これからも精進して、常に新しい知識を得るようにしようと思います。

 

学会

11月1日から4日まで神戸でJDDW(日本消化器関連学会週間)が開催されました。

今日3日は祝日でクリニックは休診ですので、参加してきました。

 

肝臓学会は2日で終了しており、今日は内視鏡関連が中心でした。

AIを使って胃がんの診断をする話はとても勉強になりました。

同じようにAIを研究している施設の先生が「うちのAIはもう少し処理のスピードが速いです」とコメントしていたのは面白かったです。

 

普段は忙しくてまとまった勉強ができていない状態ですが、学会ではいろいろな知識を得ることができます。

これからの診療に活かしていけるよう、得られた知識を整理して身につけていこうと思います。