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ヨーロッパ肝臓学会

2018.04.23

毎年4月にヨーロッパで肝臓学会(EASL)が開催されます。

秋のアメリカ肝臓学会と並んで肝臓の世界では2大イベントです。

今年のEASLは4月11日から15日までフランスのパリで開催されました。

EASLのウェブサイトによると日本からは159人が参加されたようです。

 

学会で発表された内容の主なものをまとめているサイトがありますので、それを見るとどのようなことが世界で話題になっているかを知ることができます。

 

C型肝炎ではエレルサ・グラジナやマヴィレットの発売後の結果、ウイルス排除後の発がんに関する検討、肝硬変患者に投与しウイルス排除した後の肝機能に与える影響などが主な話題のようです。

 

B型肝炎では新しい抗ウイルス治療薬の基礎的なデータや臨床試験のデータが発表されています。

 

NGM282という薬の臨床試験の演題もいくつかあります。

この薬はFGF19という人間の体の中にある物質に近い構造を持ちます。

肝臓の脂肪を減らすのが主な作用で非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者の脂肪肝に対して使用する臨床試験が行われており、今回12週間の治療で肝臓の脂肪が減っているという結果が発表されています。

この薬剤には脂肪を減らす作用だけでなく線維化を改善する作用もあるようで、原発性硬化性胆管炎(PSC)に対しても臨床試験が行われています。

PSCは胆管に炎症が生じその周囲に線維化が起こり、最終的に肝硬変となる病気です。

現在有効な治療はなく、肝移植が必要となります。

PSC患者にNGM282を12週間投与すると線維化の指標に改善の傾向が見られました。

長期間投与することで実際に線維化が改善すれば、PSCの治療薬として非常に意義があるものと思われます。

 

以上簡単に読んだだけの感想ですが、開業してからのわずか半年の間にも新たな話題がでてきており、置いて行かれないようにしたいと思います。

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